今さらだけど幕が上がるの話

「幕が上がる」
ももいろクローバーZが主演、ということで公開日に見に行ったけど、ぶっちゃけ正直期待していませんでした。

だってアイドル映画って、ファンしか楽しめないというか、ぶっちゃけクオリティは求めないのが暗黙の了解じゃないですか。

可愛ければ全て許される的な。
演技力とアイドル力って、必ずしも比例するわけじゃないと思うんです。
むしろ、比例する方がまれだとさえ思います。


だから私も、最初は全く期待してなくて
まあ本広克行監督だし?賛否両論あるけど
私はサイコパス好きだし、踊る大捜査線はみたことないのでわからないけど。
(映画が好きな人で否定的なことを言ってる人がいるのはしっていました)

後々、原作が平田オリザさん、脚本が喜安浩平さん、というすごい人っていうことを知ったんですけど、名前くらいは聞いたことあるなあ、くらいで。


※ここからネタバレありです


結論からいうと、5回泣きました。
最初からなんか泣いた。
「切なくも儚い青春」というのが、こんなにもぴったり合うものはないんじゃないか、とさえ思えた。

黒木華さんの演技力にも脱帽しました。
「肖像画」という一人芝居をするシーン。
世界が、空気が、一瞬にして変わります。
本当にはっとするくらい。衝撃をうけました。

作中でも彼女の演技がきっかけで全国大会を目指す流れになります。そして、ももいろクローバーZの4人(有安さんは除く)もこの「肖像画」に挑戦しています。
この「肖像画」でも泣きました。
百田夏菜子さん演じる、サオリの「肖像画」が本当に良かった。
彼女の母親役を清水ミチコさんが演じていたのですが、本当に理想の母親でした。
私もあんな母親になりたい。


場面は変わり、有安杏果さん演じる「中西さん」の心の傷が浮き彫りになります。
「世界でたったひとりぼっちだ」と孤独を感じる中西さんにサオリは「ここにはふたりいる」と寄り添います。
もちろんここでも泣きました。3回目です。

有安杏果さんがももいろクローバーZに加入した当時のことを思い出されました。
孤独、不安、葛藤。
あんな小さな体にそれを詰めこんで、詰め込まれて、よく立っていられるなあ。
本当にすごい人です。自分だったら、と思うと涙が止まらなくなる。


私は中学時代、吹奏楽部員でした。
県予選は突破できるけど、四国予選で敗退するレベルの。
365日のうち、350日くらいは部活動があって、こんなに死ぬ気で練習して、遊びも我慢しているのに全国大会の壁は大きくて。
だから、結果発表を手を合わせながら聞く彼女たちの気持ちは痛いほどわかります。
次々とライバルの学校名が呼ばれます。
残りひと枠しかないのに、自分たちの学校名はまだ呼ばれていない。
ドキドキが頂点に達した時、彼女たちの学校名が呼ばれます。
はい、ここでも泣きました。4回目です。
あー、これは自分の思い出と被せちゃって、
泣くなって言われるほうが難しい。


高校演劇の仕組みをこの映画ではじめて知ったんですけど、みなさんはご存知ですか?
※Wikipedia参照

全国高等学校演劇大会(以下、全国大会)を目指す高校は、まず、都道府県を数地区に分割して行われる地区大会(おおむね7月から10月に開催)に参加することになる。ここで優秀な上演をおさめ、上位大会推薦校となると、都道府県大会(おおむね8月から11月に開催)に駒を進められる。

都道府県大会においても、同様に推薦校が選出され、全国を9つに分けたブロック大会(11月から1月に開催)への出場権が得られる。
全国大会は、次年度の7月下旬から8月上旬にかけて開催される。そのため、他の体育競技や文化部大会とは異なり、ブロック大会に出場した3年生は、必然的に全国大会には出場できないことになる。

あまりにも残酷すぎませんか。
たくさんのことを犠牲にして頑張っても、自分たちは全国大会の舞台に立つことは出来ないんです。

吉岡は「受験とどう折り合いをつけるか、考えなさい」と言います。
「これから先の君たちの人生をめちゃくちゃにするかもしれない」とも。
「それでも私は、君たちと全国大会を目指したい」
普通の先生ならこんなこと言わないだろうな。


このあとも色々問題は起こるのですが、もうそれは観てほしい。

最後の最後。
舞台へと飛び出していく彼女たち。
開演のブザーが鳴り、この映画のタイトルである「幕が上がる」のテロップが出てきます。
その瞬間が涙が溢れだしました。
本当にこの構成?演出?を考えた方に拍手を送りたい。
この最後の最後を観るためだけに、この映画を見る価値があるとさえ思います。

アイドル映画の常識を覆したこの「幕が上がる」

途中、このシーンはいらなかったんじゃないかと思うシーンもありますが。まあそれを含めてもめちゃくちゃ良い映画です。

ぜひ皆さん、観てみてください。
ちなみに私は映画館で3回鑑賞し、限定版のブルーレイも購入しました。

幕が上がる

幕が上がる



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